自然乾燥は皮膚病の原因となることも!
自然乾燥で生乾きの状態が続くと、皮膚炎を引き起こす可能性があります。その理由は、生乾きにより細菌が繁殖しやすくなり、犬が水分を気にして舐めてしまうからです。
特に幼犬や高齢犬の場合、身体が濡れたままでいると体温が下がり、体調を崩す原因となることがあります。そのため、自然乾燥ではなく、ドライヤーを使ってしっかりと乾かすことが重要です。
犬の皮膚炎は3月頃から増加し、7月にピークに達することが分かっています。気温と湿度の上昇により、皮膚や被毛が蒸れやすくなることが原因です。こうした環境は細菌の繁殖を促進し、特に犬の皮膚細菌感染である膿皮症の発症を増加させます。アレルギー体質の犬は、皮膚のバリア機能が弱いため、さらなる注意が必要です。
愛犬を上手に乾かす3つのポイント
犬の身体を上手に乾かすには、いくつかのポイントがあります。
ここでは具体的な3つのポイントを紹介します。
1.速く乾かすには「タオルドライ」をしっかりする
ドライヤーを使う前に、しっかりとタオルドライをすることで速く乾かすことができます。
ドライヤーの使用時間が長くなると、愛犬のストレスにつながるため、タオルドライで素早く乾かすようにしましょう。
2.スリッカーを正しく使う
スリッカーブラシは、もつれた毛をほぐし、乾かした後の毛をふんわりとさせてくれるアイテムです。
柴犬、コーギー、ハスキーといった毛量の多い犬種を除き、短毛種ではスリッカーを使う必要はありません。
初心者で毛を乾かすことを目的に使う場合は、「ソフトタイプのスリッカー」がおすすめです。
スリッカーを使うときの注意点
- 力を入れ過ぎない
- 自分の手の甲を使って、力加減を確認する
- スリッカーは皮膚と平行に使用する
- からまった場合は無理に引っ張らず、少しずつほぐす
- 目や鼻にあたらないよう気をつける
3.ドライヤーの当て方を工夫する
ドライヤーを苦手にしないよう、以下の点に注意しながらドライヤーを使用します。
- 犬の体に近づきすぎない
- 突然大きな音を出さない
- 顔から離れたところから始める
- 適宜、声をかけながら進める
乾き残しのでやすい部位
以下の部分は、毛が溜まりやすかったり、ドライヤーがあてづらかったりするため、乾き残しが出やすい箇所です。
- 手足の指の間
- お腹
- 内股
- 脇の下
乾きにくい箇所を知っておくだけで、乾き残しを防ぐことができますね
犬種別の乾かし方のポイント
トイプードルのような巻き毛の犬種
巻き毛とは、濡れるとクルクルになる毛のタイプのことです。
巻き毛の犬には、ブラシで根元から毛をしっかりと伸ばすように乾かします。
手で乾かすだけでは、毛並みが整わなかったり、十分に乾かすのが難しかったりするため、ノズルをつけられるタイプのドライヤーが乾かしやすいでしょう。
長毛種や大型犬
乾かすのに時間がかかるとストレスになることがあるため、長毛種や大型犬の場合は、強い風で乾かします。
風量が調節できるタイプのドライヤーで、出力ワット数の高いものを選ぶのがおすすめです。
柴犬
柴犬は毛量が多い犬種のため、ドライヤーを使ってしっかりと根元から乾かす必要があります。
ドライヤーを使った乾かし方の手順
- 1.タオルドライ
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タオルドライをする際は、犬の毛の流れに逆らって行います。
体の横を拭くときは下から上へとタオルドライをします。
タオルドライはゴシゴシとこすらないようにし、吸収力の高いタオルを使うようにしましょう。
- 2.スリッカーとドライヤーを使って乾かす
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全体を一気に乾かすのではなく、パーツごとにしっかりと乾かします。
スリッカーを使って毛の根元に風が入るように、毛の流れと逆の方向にとかすと乾くのが速くなります。
両手を使って乾かすのが難しい場合には、ドライヤーを固定すると乾かしやすくなるでしょう。
- 3.乾かし残しがないか確認する
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足の指の間や脇の下などの、乾かし残しの多い場所をチェックします。
足先は水分がたまりやすいため、肉球の間に指をいれて、犬の指先を広げてあげると乾かしやすくなります。
まとめ:ドライヤーを正しく使って、愛犬のケアを快適に
犬の健康と快適さを守るためには、正しい乾燥方法が不可欠です。生乾きは皮膚炎や細菌感染のリスクを高め、特に幼犬や高齢犬は体調を崩しやすくなります。
適切なドライヤーを選ぶことで、こうしたリスクを軽減できます。
ドライヤーを選ぶ際は以下の点に気をつけましょう
- 風量調節が可能
- ノズルの付け替えができる
- 低騒音設計
- 犬用の温度設定がある
- 軽量で扱いやすい
愛犬との快適なグルーミング時間のために、うまくドライヤーを活用していきましょう。